そんなこんなで、星空を写真に残したいという思いから、星景写真にはまってしまいました。
最近ではスマホでも簡単に星空が取れるよう夜景モード、星空モードなどが搭載されたものもありますが、今回はミラーレスデジタル一眼カメラでの撮影方法になります。
一部のコンパクトデジカメでも同じように撮影が可能ですが、設定ができない項目もあるため、出来ればミラーレス一眼カメラをおすすめしています。
星空の撮影の準備
星空を撮影したといって、いきなり撮影場所に出かけても、うまく撮影ができなかった、などならないようにしましょう
機材を準備する
機材を準備するといっても、完璧を目指すときりがないため、最低限必要なものだけピックアップしてきます。
カメラ
カメラの種類は大きく分けて4種類あります。
- スマホカメラ
- コンデジ
- ミラーレス
- 一眼レフ
冒頭でも述べたようにミラーレスがおすすめです。撮影設定が自由にでき、レンズ交換式のためです。
一眼レフはきれいにとれるのですが、機材の値段が高く、ミラー振動がでるためここでは除外しました。また最近は市場全体がミラーレスにシフトしているのもあるからです。
三脚&雲台
昼間に撮影する場合は、シャッタースピードが短いためブレが起きにくいのですが、夜間の撮影になると長秒露光のため10秒から30秒くらいシャッターを開けておく必要があります。
そのため、三脚でしっかりと固定する必要があります。
素材、サイズで値段が変わるため、安く済ませたいのなら、アルミ製一択になります。
雲台は三脚とカメラの間に入れるもので、カメラの向きや角度をかえるために必要になります。三脚とセット販売されているものでも大丈夫です。
レンズヒーター
夜間の撮影になると、夜露がレンズについてしまい、せっかくの写真が台無しになることがあります。
レンズにヒーターを捲くことで夜露の防止ができます。
ヘッドライト
ヘッドライトは赤い光が出せるもの、もしくは赤いセロハンを張りましょう。移動時やセッティング時に役立ちます。
赤い光はほかの撮影者さんの邪魔にならないようにする配慮と自分の目が暗闇になれるためです。
撮影日程を決める
星空の撮影で大敵は、月(MOON)です。月は星に比べて非常に明るいです。満月の時にはほかの星が見えなくなるくらい明るく、カメラで撮影をすると月が明るすぎて白飛びしてしまいます。
新月の前後約1週間を目安にするといいです。
天体望遠メーカーのビクセンが月相アプリを出しています。カレンダー形式で確認できるため便利です。
次に天気ですが、天気予報を参考にしてください。おすすめは、tinki.jpのアプリです。こちらは星空指数もみれるため参考になります。
撮影の方法
出来れば、夕方までには撮影場所に到着するといいです。以前に行ったことのある場所なら夜でもいいのですが、暗いと何かと不便です。できるだけ明るい時間に到着することに心がけましょう
撮影スポットに到着したら、構図を確認して、三脚にカメラをセットします。

構図の確認にはスマホアプリを利用すると便利です。AR機能がついているため構図をきめるのに最適です。
カメラの設定
カメラの設定は事前に行っておくといいです。細かい調整だけ、現地で行うようにしましょう。
今回は私が所有しているオリンパスのO-MD E-M5 マークⅡで説明していきます。ほかのカメラでも基本的には同じになります。
すべてマニュアルモードで行います。
基本設定は下記の通りです。
- F値・・・・・・・・開放または一段絞る
- ISO感度・・・・・1600~6400
- SS・・・・・・・・15~30秒
- 手振れ補正・・・・・切
- 長秒ノイズ軽減・・・切
- 保存形式・・・・・・RAW推奨
あとは、テストショットを取って微調整をしていきます。
①F値はレンズの性能によってちがいます。F値が小さいほど光を集めることができて明るくなります。
基本は開放で撮影するといいのですが、レンズの性能で開放だと周辺減光(四隅が暗くなる)が気になる場合があります。その場合は1段絞って撮影すると周辺減光が軽減されます。
②ISO感度は、数字が高くなるほど明るくなりますが、ノイズが発生します。基本は3200以下をにして、どうしても暗い場合は6400で撮影するようにしましょう。
③シャッタースピードの目安は500ルールで計算できます。星を点に映す場合は500ルール以下のシャッタースピードにする必要があります。
シャッタースピード(秒)=500÷焦点距離(mm)
※焦点距離はフルサイズ換算
焦点距離の目安シャッタースピードは下記の表のとおりです。
フルサイズ焦点距離 | 14mm | 24mm | 35mm | 50mm |
---|---|---|---|---|
SS | 35秒 | 20秒 | 14秒 | 10秒 |
フルサイズ換算のため、手持ちのカメラのセンサーサイズによって置き換えてください。
④手振れ補正を切る理由については、誤動作防止です。三脚でしっかりと固定しているため誤動作でせっかくの写真が台無しにならないように確実にOFFにしましょう。
⑤長秒ノイズ軽減はOFFにしてください。長秒ノイズ軽減のデメリットは撮影時間が2倍になります。SS30秒のなら30秒ノイズ軽減+30秒露光になり、1分時間がかかります。実際にノイズは編集時にかなり除去できます。
⑥保存形式は、RAWで記録しましょう。後でホワイトバランスを変えれるのと、編集時に画質劣化を抑えらるからです。
ピントの合わせかた
カメラの設営、設定が終わったところで次に、星にピントを合わせていきます。
私のピントの合わせ方は下記の順番に行います。
- ライブビューで一番明るい星を探します。
- 拡大機能を利用して表示を最大にします
- ピントリングを回して、星が一番小さくなるように合わせます
- 拡大を解除して全体を確認します。
- テストショットを取り、撮影したものを拡大して確認します。
- ピントが甘かったら2番に戻りやり直します。
私の持っているE-M5MK2にはライブビューブーストLv2機能がついていて、肉眼では確認しにくい星まではっきりと確認ができます。デメリットは動作がもっさりとします。

上の写真はオリオン座ですが、ピントが合っていません。小さい微光星は消えてしまっています。

ピントが合ったら、ピントリングにパーマセルテープをはります。パーマセルテープは高いたマスキングテープでも大丈夫です。
おすすめのマスキングテープはカモ井加工紙のmtです。こちらは、通常のマスキングテープよりも少しだけ厚みがありしっかりとしています。
ちなみに、ズームレンズを使用する場合は、パーマセルテープやマスキングテープで固定をしておいてください。
実際に撮影をしてみる
構図、ピントを合わせたら、実際に撮影をしてみましょう。
カメラのシャッターボタンをそのまま押すと、ブレが発生してしまうため、リモコンレリーズがあれば利用しましょう。
レリーズでおすすめは、ロワジャパンのリモコンレリーズがおすすめです。単4電池2本必要ですが、タイマーやインターバル撮影も可能です。
カメラメーカー毎に端子がちがうため、お持ちのカメラに合うものを探してください。私はオリンパスのためこちらを利用しています。
もし、レリーズを使わな場合は、セルフタイマーでも撮影可能です。セルフタイマーを2秒で行ってください。
明るさの確認をする
撮影したものをカメラの背面液晶で確認してみてください。液晶が小さいため全体を確認した後に、拡大機能を利用して星がしっかり点で映っているか、流れていないかを確認します。
次に明るさの確認ですが、ヒストグラム表示をで確認をしてください。背面液晶で星の明るさを確認すると、意外に明るくとれてるとおもっても暗いことがほとんどです。
一番大きい山が、ヒストグラムの中心付近から少し右くらいにくるようにすると後で編集が楽になります。
明るさが暗いようなら、ISOで上げて調整してください。明るすぎる場合は、ISOを下げる、SSを少し短くするなどして調整するようにしましょう。
RAW形式で記録してあれば、ある程度は補正がきくため、白飛び、黒つぶれしないようにだけはしましょう。
まとめ
星を取る際の注意事項などを説明してきましたが、楽しく撮影を行ってください。
ピンぼけや、夜露でぼやけていても、その時にみた星空が記憶に残りますよね。またチャレンジすればいいので何度でも挑戦してください。

こちらの写真の設定は24mm/F2.0/ISO1600/SS15で撮影しました。
私も失敗だらけで、もうちょっと明るく撮影できれていたらよかったのにとか思っています。
できるだけ失敗しないようにするための注意事項をまとめてみました。
- 三脚でしっかりと固定する
- レンズヒーターを使う
- F値・・・・・・・・開放または一段絞る
- ISO感度・・・・・1600~6400
- SS・・・・・・・・15~30秒
これだけ抑えておけば大きな失敗はしないはずです。
それでは良い星空ライフを送ってください。
